赤島 雨水生活
『赤島プロジェクト』 2019年3月18日
3月1日、東京の建築会館で建築学会「雨水活用建築ガイドライン」改定講習会が行われました。
講習後、司会をされていた福井工業大学の笠井先生とお会いして赤島に行く機会が与えられました。
笠井先生とは今までに2度お会いしていて、昨年の『雨水塾』という、法政大学の神谷先生塾長の元、寺子屋形式で雨水建築やランドスケープ・グリーンインフラなどを基礎から学ぶ塾で講師として参加されていた時にお会いし、もう1つは雨水ネットワークでの講演会で『赤島』の取り組みをPRされていた時に拝見させていただきました昨年の笠井先生の赤島PJを聞いて参加したいと思っていましたが、今年の赤島エコツアーの参加者はすでに定員いっぱいで参加は出来ませんでしたが・・・
エコツアーが始まる前に笠井先生が赤島に上陸するタイミングで一緒にご同行する事ができました。
ここで少し笠井先生が取り組まれている『赤島』についてお話をさせていただきます。
笠井先生が雨水の研究をされたのが今から12~13年前の事だそうです。イメージの悪さ。大気中のちりや不純物などが混じり、雨水は汚いとのイメージが根強い。
(実際汚れているのは初期雨水と呼ぶ、降り始めの雨だけです。これさえ除去すれば、雨水は蒸留水に近い、きれいな水です。)
笠井先生は、雨水活用を推進するべく、日本のどこかに雨水で生活しているところがないか探し回り、ついに長崎県五島市にある赤島にたどり着いたそうです。
今では笑い話でお話しされていましたが、初めて赤島に行ったときはジャングルの探検隊気分で不安とドキドキだったそうです。
そして、現在宿泊先とさせていただいている赤島の家の隣人宅にお伺いして『台所の雨水を飲ませて下さい‼』と言ってコップに雨水を入れて飲んだそうです。
隣人の方は、とても驚いた様子だったとおっしゃっていましたが、
『当然でしょ』って言いながら、赤島初上陸のお話を聞かせていただきました。
笠井先生が赤島を調査したところ、島民の水の利用状況は一人平均約62リットルしか水を使っていない超節水の暮らしをしている事がわかったそうです。
東京都水道局調べでは1日1人平均約220リットルなので、その差は歴然。
赤島の人たちは、使った食器はまず拭いておいて後でまとめて洗い、風呂ではなく短時間のシャワーやよほどの場合は体を拭いて済ませるなどの工夫をしています。
赤島の家々には必ず屋根に降った雨水を集める貯水槽。コンクリート製やレンガなどをセメントで固めて雨水を溜めていました。
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笠井先生は、民家の屋根だけでは雨水が足らない状況を見て『雨畑』という雨をつくる畑を考案してコンピュータ制御された雨水タンクを設置して雨畑で集水した雨をタンクに溜めて水質調査などを行っていました。また、風向風速、降水量などのデータを取得しながら赤島の現状を調べて島民の方々がさらに安全に雨水が飲めるように日々研究されています。
福江港→赤島
赤島
赤島上陸
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そして、雨水を使った赤島活性化プロジェクトは、『しまあめラボ』と名づけ、赤島の魅力をもう一度見つめ直し、雨水生活が体験できる日本唯一の島であることを広めようとして取り組まれております。
そして今年の『赤島での雨水ぐらし体験』のエコツアーは盛況ですぐにSOLDOUTしたそうです。
ツアーの内容は、島内の散策や雨水風呂、海水でのお米とぎ、魚をさばいてかまぼこづくりなど
2泊3日で体験できます。
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今回、私も笠井先生と一緒に赤島へ同行させていただき、本当にいろいろと学ばされ気づかされました。
特に、お恥ずかしい話ですが、雨水風呂であるお風呂に入った時に、すぐにいつもの生活と同じようにシャワーを取り雨水を豪快に出してしまいました・・・。宿泊した赤島の家は人が使用していないので雨水は溜まったままですが、雨水が大切な赤島で、一瞬そのことを忘れてシャワーを使用した事をとても恥ずかしく思いました。それを社員に言ったら『マジですか?シャワー使ったんですか?』と少し軽蔑されました。
少し苦い経験でしたが、身を持って雨水の大切さを感じました。
我々も笠井先生に負けずに我々にできる雨水活用をして行っていきたいと思います。
赤島の島民の皆さま、差し入れで伊勢海老や魚の刺身などいただき本当にありがとうございました。
とてもおいしかったです。
また、笠井先生も21日からのエコツアーが始まる前の大変なタイミングで訪れ、お話を聞かせていただき本当にありがとうございました。
日々忙しい人には赤島はおススメです。島のサイズ感と静けさと暖かさ、魚が豊富で釣りも楽しめます。
都会にない静けさと島特有のゆっくりとした時間の流れにはまってしまいました。
1週間でもいたら社会復帰できなくなりますよ。(笑)
是非、次回夏にでも行かせていただきたいと思います。