薪ストーブ
今回はこれからがとても重要になってくる環境にやさしく、心温まる暖房機器→薪ストーブを紹介したいと思います。
(以前にも掲載させていただいたものです。)
知ってるようで知らない薪ストーブ。
昨今、徐々に流行ってきております。
しかし、薪ストーブをあまり理解しないまま使用された方が、次の冬には使用していないという現状もあるそうです。
なんともったいない・・・。
そこで、再度、私も学びなおし。今日は薪ストーブを紹介したいと思います。
その次にペレットストーブも紹介したいと思います。
最近、薪ストーブ・ペレットストーブがブームになってきている理由
①薪ストーブ・ペレットストーブ=最高のスローライフ
(空間全体を暖めてくれる、レトロで落ち着いた雰囲気)
これは、説明がいらないと思いますが、薪ストーブ自体がアンティークとなり、そのまわりにはレンガなどもあり、薪を燃やした火を見ていると最高の落ち着きが得られます。
②薪ストーブ・ペレットストーブ=最強のエコ(カーボンニュートラル)
木は大気中の二酸化炭素(CO²)を光合成により炭素として固定化し、幹が枝をつくっています。
『木が大気中のCO²を吸う・薪が燃えてCO²を出す』というプロセスを繰り返すので植物が元気に育っている限り、大気中のCO²が増える事はありません。これをカーボンニュートラルと呼ぶ(らしい)
上記で薪ストーブ・ペレットストーブがブームになっている理由はわかっていただけたと思いますが、
採用するうえで気を付けないといけないポイントがあります。
特に薪ストーブ!
薪ストーブの概要
多くの薪ストーブは電源が不要。
着火の際にはマッチやライターで火をおこして新聞紙や小枝に種火をつけ、その上に薪を並べて火を移していきます。
部屋の暖め方も、熱くなった本体の表面から「放射」と「自然対流」により自然と広がります。
薪ストーブの表面が真っ黒なのは、放射率を上げて放射を効率的に行うためです。黒は、最も効率良く赤外線を放出できる色だそうです。
温まるまでの立ち上がり時間もかかります。(しかし、夕方から夜にかけて使用し、余熱利用するのは効率的)
また、燃料の補給も「手動」ということになるので、燃え尽きる前に新たに薪を追加する必要があります。
それなりに手間がかかりますので、好きでないとできないかもしれません。
しかし、家族だんらんには最高です。
煮炊き用は調理にも応用できたり、加湿器として使用できたりと、幅広い楽しみ方ができます。
お子さんがいるような家庭ではストーブ本体が熱くならないタイプの対流式をおススメします。
また、煮炊きをする事を想定している方にはストーブ本体が熱くなるタイプの輻射式をおススメします。
何より火を見ていると気持ちが落ち着きます。
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上記であるように、薪ストーブの放熱は主に「放射」、サブで「対流」によって行われます。
放射というと家中の隅々にまで届く感じがありますが、それは大きな間違いです。
薪ストーブの放熱は、距離が離れるほど急速にエネルギーが低下してしまう。
このことを専門的には「距離の2乗に反比例して減衰する」と表現するらしい。
つまり、距離が2倍になると4分の1、距離が3倍だと9分の1というように、弱くなってしまいます。
このように放射で暖められる範囲は決して広くないので、人がどこに座るのかをよく考えて、放射が十分に届く位置に薪ストーブを設置することが非常に重要です。
防火や薪の保管、灰の処理を優先し、人のいる範囲から離れた土間のような空間に設置してしまう場合が多いので、要注意。
また、放射は周辺の障害物により簡単に遮蔽されてしまうので、家具等を設けたりして、せっかくの放射を遮るようなことがないように注意。
また、小さい薪だと燃える時間が短く、なかなか部屋が暖まらないので、購入するなら大きめの薪が投入できるサイズを購入すべきです。
注意1
薪は計画的に入手
最初のハードルは、薪を「計画的」に入手する事ができるかどうか重要です。
しかも、薪は遅くとも「1年前」に割っておくこと。木はしっかり乾燥させることが不可欠です。
しけっていても薪は燃えますが、せっかく得られた熱の多くが薪の水分を水蒸気にするのに使われてしまい、薪を燃やした割には室内に熱が出てこない事になってしまいます。
薪を割って軒下に積んでおくのは、乾燥させて水分に熱を取られないようにするためです。
しかし、私の知り合いは、自宅近くの建築現場から廃材を頂戴しているそうです。
これは両社にメリットがあります。
廃材を捨てる建築会社は、廃材費用がなくなり、また、薪ストーブに木材を必要とする人は燃やす木材が無料で入手でき、しかも建築で使用される木材はほとんど乾燥材なのですぐに薪ストーブの燃料として使用できます。
薪をホームセンターなどで購入すると、かなり高いのでどこからかもらってくるか・入手先を確保する事。
炎を見ていると時間を忘れてしまいます・・・
注意2
1日の薪の必要量は10kg以上 (東京大学 前先生参考)
薪1kg当たりの燃焼熱量は、20MJ(メガジュール)弱。同じ1kgの灯油の熱量は40MJ 以上なので、薪は灯油の半分程度の熱量しかない。つまり灯油1 缶(18L=14.4kg)分の熱量を得るには、約30kgもの薪が必要になります。
次に1日の暖房にどれくらいの薪が必要になるでしょうか。
暖房に必要な熱量は家の断熱性にもよりますが、冬であれば200MJ程度が一つの目安らしく、薪1kg の熱量が20MJ 弱なので、1日に10kg以上の薪が必要ということになる。
冬が何カ月も続くことを考えれば、10kg×100日=1000kgということで1トンのストックは必要ということになります。それだけの薪を前の年に割っておいて、保管しておく場所が必要です。
当然、熱負荷を半分に減らせば、必要な薪の量も半減します。
薪ストーブの火が消えても、急には寒くならず安心。
建物の方に関係してきますが、やはり楽に快適に過ごしたければ、やっぱり断熱・気密の確保は不可欠ですね。
注意3
煙突
煙突はオマケやデザインではありません。薪ストーブでは本体に劣らない重要アイテムです。
木に限らずモノが燃えるためには、燃焼に必要な空気がきちんと供給され、かつ煙がスムーズに排気される必要があります。
薪ストーブの給気・排気の動力は、加熱され軽くなった煙が自然と上昇する「煙突効果」だけしかありません。
この煙突効果をきちんと働かせるためには、煙突を丁寧に設計することが不可欠です。
しかしながら、日本の煙突の多くは薄い金属板1 枚で作られているだけで非常に貧弱。煙として逃げる熱がもったいないとばかりに、煙突の表面から熱を「吸い取る」工夫をしている場合すらあります。
さらに煙の温度が低くなると、含まれているタールが気体から液体になって煙突の中にベッタリと付着するため、煙が通るスペースが減ってしまいます。
こうした問題を防ぐために海外では、薪ストーブの煙突はしっかりと断熱する事が重要。
もう一つ忘れていけないのは、煙突効果は「煙の温度が高い」ほど、そして「煙突が高い」ほどよく働くということ。つまり、煙突は「高さ」をちゃんと確保することが重要です。
定期的な掃除・手入れが必要なので、煙突は煤が溜まりにくいものを選ぶのが大切です。
垂直部分にはほとんど煤は溜まりませんが、水平部分にはたくさんの煤が溜まります。
なので、なるべく垂直部分が多い煙突をおすすめします。
加えて、
当然ですが近所の事も考えて煙の出る方向などを設計しなければなりませんので、近隣とのトラブルがないようにしてください。
次回も薪ストーブについてブログを作成しますのでお楽しみにしてください。