フォトギャラリー
エリア別|すべて
『アシタノイエ』和モダン☆プラスワンスペースのあるお家
尼崎市 アシタノイエ『上ノ島』
アシタノイエ 上ノ島
住宅密集地や狭小地の住宅では、隣の家が接近しているために南面も塞がれて太陽の日射取得がなかなかできないケースがあります。しかも、このお家ではもともと隣りと長屋で一続きとなっていたため境界線で隣地の家と切り離ししました。通常は境界線から少し控えて(消防法の観点から)建てるのですが、長屋の為に控える事が出来ず、普段より日射取得ができない状況で設計する事になりました。最初に計画したのは、兵庫県でも沿岸部に位置している尼崎市で、冬時よりも夏場の暑さの方が厳しいので夏場対策をメインに考えました。
そして、隣地が接近している為、日射取得がなかなかできない立地から、パッシブの基本である中庭をつくりました。中庭をつくる事で南側からの日射取得が出来るようになり、風通しも良くなりました。中庭の空間だけでは足りない日射は、接近している隣地の日陰が解消されず、リビングに吹き抜けと吹き抜け部分に窓を設けることで、リビング上部からも採光が得られました。また、リンビング上部からは光だけでなく、夏期時の湿気を含んだ暑い熱を捨てる排熱窓としても利用しました。断熱仕様は、屋根を屋根断熱工法、壁は隣接しているため、影ができ壁からの日射熱取得する可能性が低いと判断して、無駄に断熱せず→90㎝ロックウール、基礎断熱を行いました。
また、おなじみのカウンターアローファンで小屋裏から基礎空間までを空気循環させて温度を一定にさせ、基礎に含まれる発露水を循環させてカビや腐れを防ぎました。これにより、完成後の夏場に伺うとあまりエアコンを使用せずに肌で感じるほどの風の流れを感じ取る事が出来ました。
外観のデザインは和モダンで庇を設け、夏場の西日の日射遮蔽を行い、また、ベランダ壁に開口を空けて格子を設けてデザインだけでなくて通風するように施工しました。
構造においては、通常2階建ては構造計算が義務付けされておらず、壁量計算という簡易計算だけになってしまうのですが、根拠のある許容応力度計算を行い検査機関に計算の裏付けをいただきました。
構造材は「構造は企業のモラル」と提唱しているので、弊社標準仕様のシロアリ、腐れの処理をした構造材(緑の柱)を使用しました。平野、沿岸部である尼崎は特にこのような防蟻、防腐処理を施した材料を使用しないといけません。