これからの家創り
既存住宅とこれからの住宅
これからの家創りについて
住宅購入をご検討される際にまず、住宅業界に大きな変化があり
これまでの家創りと、これからの家創りでは大きな違いがある事を知っていただければと思います。
「知らないと損しますよ!!」っていう営業トークがありますが・・・。
まさに、これからの家創りを知らないと損をします。(笑)
この5年~10年の間において建築業界では耐震・省エネルギーについてめまぐるしく変化しております。
特にここ5年間については、私自身もついて行けないぐらいのスピードで日々変化しているように思います。当然、耐震・省エネルギー以外でもライフスタイル・デザイン・金融面などの変化はありますが、この耐震と省エネルギーが大きく変わった事でライフスタイル・デザイン・金融面がさらに変化しました。つまり、家創りの根底が変わったと言っても過言ではありません。
さっそく、耐震・省エネルギーがどのように変わったのか簡単に説明させてもらいます。
耐震について
※白アリ被害で倒壊した家
耐震面では、阪神淡路大震災と耐震偽造が発覚した時期は大きく改定され、建築基準法とは別に推奨レベルの耐震基準が2000年に出来上がりましたが…実情はあまり周知されず現場でもあまり反映されていませんでした。
国全体として耐震の底上げにならなかった最大の原因は、現在の耐震基準となる耐震性能は、阪神淡路大震災が基準となりましたが、そもそも家を建てる上で必要なハードルである建築基準法が改定されず、推奨レベルにとどまっていたからです。
阪神淡路大震災では、住宅倒壊において(公共物除く)住宅がシロアリや腐れの被害があり、倒壊したという見解で留まり、あとは手抜き工事が目立ち、住宅を造る根本的な工事実体が露呈した形となりました。
※白アリの被害を受けた木材
阪神淡路大震災から20年経過して、これまでにも未曾有の地震や災害がありましたが、未だに建築基準法が改定されていません。という事は、耐震にこだわる会社とこだわらない会社とでは、強度の違う住宅が出来上がってしまうという事です。
それに加え、建築基準法が底上げされない事で危惧する事は木造2階建ての住宅です。木造2階建ての住宅は構造計算が義務付けされておりません。強度の裏付けとなる数値化がなされていない事ですので、これでは地震や耐風などが起きた時にどのような影響があり、どの部分にどの程度の強度を高めないといけないかがわかりません。建築基準法の低い基準さえクリアすれば建てられるようになります。
「弊社が構造は企業のモラル」と言っているのはこういった事からです。こういった住宅が現在も存在する事自体がおかしいと思います。また、現在の最高等級である耐震等級3でも安心ではありません。
熊本地震では、耐震等級2の家が余震で倒壊しました。耐震等級3の家は倒壊していないじゃないと思われるかもしれませんが、耐震等級3の家も熊本地震で倒壊はしないものの、大きなダメージがあり、ほぼほぼ建て替えの状態となりました。それほどまでに直下型の地震の被害は大きかったと言えます。
しかも、今後予測されている南海トラフ地震では震度7以上に加え6分間以上の揺れが続くと言われています。耐震等級3で耐えきれるかどうかわかりません。ですから耐震等級3以上で建築されている会社の対策が必要となります。
長期優良住宅でも耐震等級2以上が最低基準です。耐震等級2では、今後の大きな地震が起こる事、100年間の長期に渡り住宅を持たせる事も考えると性能が低くて話になりません。結果的に国は地震対策において、最低限だけの建築基準法の底上げもせずそれ以上の耐震は工務店、住宅会社に委ねられているのが現在の状況です。こういった状況の中でお客様が住宅、住宅会社を探して夢のマイホームを手に入れる事は容易ではありませんのでよりたくさんの会社の考え方、商品を比較して検討すべきだと私は思います。
POINT
国としては、阪神淡路大震災で耐震基準を施行したもののあまり普及せず、東日本大震災や熊本地震で耐震の関心が持たれたが、建築基準法の改定はされず、南海トラフは規模が大きすぎて対策取れずの状況であります。
基準の改定は何かが起きてからでないと改定されません。でも、それでは遅すぎます。最低限の対策を住宅業者はもちろんの事、お客様も少しずつ考えていただきたいと思います。
省エネルギー住宅
日本はエネルギーについて無頓着であった。
2011年3月11日に起きた、東日本大震災まで日本はエネルギーに無頓着であった。東日本大震災が起き、東電の計画停電は住宅・非住宅ともにエネルギーについて考えさせられた。
当たり前のようにスイッチひとつでエアコンを付けてヒーターをつけて…
弊社は、東北仙台の復興事業に携わらせていただいていたのでよりエネルギーについて考えさせられました。我々は住宅の断熱性能を高めてこなかった事に反省させられました。
そこで、パリ協定課題から日本の住宅のエネルギー消費を見直してみるといろいろと分かったことがありました。
東日本大震災頃から、エネルギーについて日本だけでなく世界も大きく変わろうとしていました。
2015年12月にパリで行われたパリ協定では、京都議定書時は先進国だけであった時と変わり全世界がエネルギー削減目標を持ち取り組んでいくという動きに変わっていきました。
エネルギー削減は日本としても大きな取組であり
そのために必要な法律も完備され、住宅の省エネルギーの底上げとなりました。
そこで住宅・非住宅ともに全世界の省エネルギーについて世界各国を見てみると日本の住宅の省エネルギーへの取り組みはとても遅れていることが分かりました。
これは、国、大手メーカー、住宅会社等が愕然とした。
日本は世界より素晴らしい誇れる住宅を造っていたと思っていたが、省エネルギー先進国ドイツと比べるとあまりにもかけ離れた省エネ住宅を造っていた事に気づいた。
日本の省エネ基準は、ドイツでは建築基準法違反であったからです。
国はパリ協定に間に合わすためにも省エネ基準を向上させる計画を立て、2020年~2030年は今まで以上に省エネ住宅しか造らせないように、また、ZEH→ゼロエネルギー住宅までのレールを敷きました。
今建てている省エネ基準では、あと3年で時代遅れの省エネ基準となります。
これでは買われるお客様に酷だと思います。
国が高い省エネ基準のレールを敷いている事を知っているからこそ、時代遅れにならない省エネ住宅を基住では創りたいと思っています。
日本の住宅は我慢している
海外に行くと日本人が暑さ、寒さに強い事に気付かされます。
アメリカでは夏場時の建物の中はエアコンがフルパワーで設定されていてTシャツ一枚では冷えて羽織物が必要です。
また、ヨーロッパも暑い時、寒い時にエネルギーがもったいないという事でエアコンを切ったりオイルヒーターを切ったりしないそうです。
日本人だけがもったいないという考えで暑さ、寒さを我慢する傾向があると思います。
日本人が我慢するのはすごいく良いことだと思います。しかし、現状はできるだけ我慢しないでも良い住宅造りは日本より世界の方が進んでいます。
ヒートショックなどの観点からも日本は我慢しないで良いエネルギーが少ない省エネ住宅を造るべきだと思います。
住宅の寿命が世界と比べて短い事
OB様のメンテナンスセミナーで「日本の住宅の平均寿命は何年でしょうか?」と聞くとだいたい50年ぐらいで言われます。
「実は、日本の住宅の平均寿命は約30年ですよ」というと皆さん驚かれます。我々も初めて知った時は驚きました。日本で平均寿命が30年という理由はたくさんあると思います。長くなるので一つだけにしますが、
日本の景気のバロメーターに新築着工数にあります。新築着工数が増えると家電、家具、住宅に関わる物が売れて景気が良くなります。日本の景気は新築着工数で維持されてきたと言っても過言ではないと思います。
ですから、中古物件を潰しては新築を建てきました。(通称スクラップビルド)
一方、他の先進国の住宅寿命は
アメリカ→約50年 ドイツ→約77年となっております。
この結果から、日本の住宅は極端に寿命が短命なのがわかります。この住宅寿命にも大きなエネルギーが関わってきます。
新築を建てるために山から木を切り船で輸送して、住宅製品を工場で作り、輸送して現場まで運んでいきます。ここまでにたくさんのエネルギーを必要とします。
住宅の寿命を延ばすという事は、大きなエネルギーを新たに生み出さない事にもつながります。
(注)滅失住宅について、滅失までの期間を推計したもの
資料)国土交通省
日本は世界と比べて中古流通が盛んでない事、また、今後必要とされる中古流通時にエネルギーパス(ドイツでの名称)という家の性能評価が必要となる事
前述で日本は、今までにスクラップビルドが行われてきたと書きましたが、エネルギー面・少子高齢化の背景から新築から中古流通への移行する動きがあります。
特に今年は、ホームインスペクター強化年で不動産売買時に必要な建物の重要事項説明書にホームインスペクターの有無が記載されます。
これは今後、中古流通を活性化するためにホームインスペクターという有識者が中古住宅に潜む欠陥箇所や損傷個所などを早期に発見し、購入者が安心して購入できる制度です。
まだホームインスペクターの有無だけですが、数年後には中古物件売買時にはホームインスペクターが義務付けされると思います。
ホームインスペクターは売買時前に建物診断をしますが、その時に調査する家の断熱性能の評価や長期優良住宅取得(耐震性が2か3)している住宅であるかどうかも調査するので資産価値も大きく変わってくると思います。
ドイツ(ヨーロッパ全域)では中古物件売買時に売主側・買主側2人のホームインスペクターが住宅を調査し、さらにエネルギーパスという住宅の断熱性能が数値化されたものが必要となります。
この数値化されたエネルギーパスを確認して家族5人で使用すると光熱費が毎月どれぐらいかかるか、購入価格はいくらが妥当なのか、欠陥はどこにあって補修費用はいくらかかるかを購入者は確認して購入を判断できます。
ドイツには、エネルギーパスがない中古物件は売買できないという法律がありますので、こういったところを見ると日本はドイツをモデルとしているのでエネルギーパスに代わるBELS表示(日本版エネルギーパス)が義務になるのではないかと私は思います。
B E L S
POINT
我々が省エネルギー住宅を造るという事は個人の自己満足ではなく、地球規模で行われていく大事な取り組みである事だと思います。
また、それは、お客様のライフスタイル・快適性・健康・安心・エコロジー(経済的)を手に入れるものでもあります。
弊社の物件を購入されなくても、皆さまの購入の何か手助けとなればと願っております。
家創りをご検討されているお客様は、ぜひスタジオ基住に来て下さい!!
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